(確か此処だった筈…)
記憶を辿って目的の部屋へと着いた。
ガチャ…
Trip!!〜5〜
「何処に行っていた?」
「ヒッ!」
ドアを開けた瞬間に見えたのは白。
見上げるとあのお兄さんが立っていた。
「…あー…えっと、散歩?」
「なんで起きてるんだ…」と思いながら引き攣った顔で答えた。
するとお兄さんは少し驚いたような顔になる。
「お前、喋れたのか?」
「あー…はい。」
今さっきからだけど。
でも、まあ言葉が通じる事には成功できたし…後は此処から御暇するだけ……
「そうか。…早く中に入れ。」
「…スミマセン。」
目の前から居なくなって、ウチは中に入って行った。
「其処に座ってろ。」
其処とはウチが寝ていたソファーだった。
…座った。
(……。)
お兄さんはリボンで髪を結んで…
(エプ…ロン…だと……?)
なんと黒のエプロンを着て調理を始めた!
(ちょっと待って! 超ー格好良いんですけどーっ!!!)
口元が上がらないように頑張ったのも言うまでもない…
ウチはコソッと自分の荷物を取って来て、携帯を取り出した。
(バレないように……)
ハンカチでスピーカー部分を押さえて……
〜〜♪
(よっしゃぁっ!!!)
後ろ姿だが、厳重に鍵付きフォルダに仕舞い込んだ…
(おっと、忘れるところだった。)
ウチはソファーに凭れ、自然な格好で左目に手を添えた。
『大丈夫か?』
自分の中にある≪記憶≫を辿って昨日の出来事を≪視た≫。
『この私に勝てると思ったか。』
あぁ、あの子そんな事言ってたんだー。
『怪我は無いか?』
『君! 大丈夫だった!?』
『あー…腹減った。ワカメ、飯。』
『うるせぇ!!!』
口論の内容はそんなんだったのか。
『良かった…ねぇ、どうしてこんな処に居たの?』
『あ!チェインの血で汚れて…? …オレたちの家に来る?』
あのキュンとしたのは汚れを落とそうよと言うお誘いだったのか…カワユスww
『おい!オズ、勝手に決めるな!!』
『ギル、主人のオレに向かってそんな事言ってもいいの?』
ウチは何も言わん…
『連れて行くから。』
『……はい。』
それでお兄さんがショボン(´・ω・`)っちなったんや。(笑)
そして笑顔で…
『じゃ!行こう!!』
…あーね。
『なんか食わせろワカメ!』
『黙れバカウサギ!! とっくに食べただろうが!!!』
『あははー元気いいなぁ〜。』
…移動中の会話はコレか。
『着いたよ!!』
『コッチがお風呂。』
そうやって男の子は風呂について教えてくれた。
『あ! サイズはどう?』
『え!?』
そして問題の場面。
彼は何について謝っていたのか…
『お、女の子?』
……あーいいよ別に。
あんまり気にしないから。
『ご、ごめんね!? 女の子だったなんて…! このオレが見間違えるとはっ!!!』
オーバーリアクションの理由はコレか。
アンタ…女を見る目に自信があったんかい。
つか、この歳で『女の子』はチョット痒い。
そして…
『痛っ!』
『五月蠅い!さっさと寝ろ!!!』
という事だったんか。
「…ふぅ。」
全て見終わり、少し休憩。
その間にもお兄さんは料理を沢山作っていた。
(……量が多くない?)
「あ〜おはよう。」
片目を擦りながら男の子が起きてきた。
「…おはよう。」
ウチも挨拶をしたらキョトンとした。
…あーアレか。
「喋れたの?」
(喋れたと?)
予想通りで笑えてくる。
「おい、あのバカウサギ起こしてくれ。」
台所(キッチン言うた方が良かったかな)からお兄さんが言う。
男の子は「了解v」と快く承諾し、別の部屋へと向かった。
…凄い音が聞こえた。
「こンのピエロやろぉっ!!!!!」
近所迷惑は朝でも夜でも関係無いんだな…
「…ハァ……。」
「ギルのはやっぱり美味しいね。」
「うむ…おいワカメ、おかわりだ。」
「沢山食っただろうが!!」
「いや全く…私にコーヒーを出さないなんて嫌がらせなんでしょうカ?」
「お前はさっさと帰れっ!!」
朝食が騒がしくて…
(ちょっと楽しいかも。)
てかあの…紅い眼をした人…どっから入ってきた?
只今、朝御飯を頂いています。
…うん。マジ美味しいし。
あまり使わないナイフとフォークでゆっくり食べる。
既に箸が恋しくなっているのは秘密だ。
「ところで…彼女は誰なんですカ?」
朝食も終え、一息ついている時に紅眼のお兄さん(?)が3人に質問した。
「…ヘェー。そういう事でしたか。」
ソファーの上で足を組んでいる姿がお似合いです。
つか七分丈から見える白くて細い足が萌えます。
「改めて…昨晩はありがとう御座いました。」
軽くお辞儀をした。
「いいよいいよ! だってか弱い女の子を助けるのは当然だよ?」
「男と間違えた癖に。」
「…ギルだってそうだろ。」
「……。」
お兄さん、墓穴掘ったね。
「あー…別に…あんまり気にしてないから。」
アハハ…と笑っていると行き成りあの女の子が顔を近づけてきた。
「うぇっ!?」
本当に行き成りだったからガバッとその場から立ち上がってしまった。
「アリス、どうしたの?」
男の子がアリスちゃんに聞く。
…ん? アリス……?
「なんか良い匂いがする。」
クンクンとウチの匂いを嗅ぐ。
あの、ウチ臭いですよ?
「えと、あの。」
「やめろバカウサギ。…腹が満足してないからって人を食うな。」
お兄さんが彼女の首根っこを掴んでウチから引き離す。
「誰が食うか! ……でも本当に良い匂いがする。」
「…はあ。」
ジーと見つめてくる彼女から顔を背けると次はあの紅眼のお兄さんと目が合った。
「ヘェー……。」
「……。」
なんか考えてそう。
そんな顔をしてるから。
「おっと失礼…」と行き成り話を変えてきた紅眼のお兄さん。
「そういえば…申し遅れました。私はザークシーズ = ブレイクと申しまス。皆さんはブレイクと読んでますネェ〜。」
優雅なお辞儀がこれまた似合う。
「そして、こちらがエミリーv」
「ヨロシクな小娘!」
(…怖いて。)
「ハイハイッ! オレはオズ = ベザリウス! 普通にオズでいいからねv」
ウィンクをしてきやがった。
「んでーあのヘタレ「ヘタレ言うなっ!」がオレの従者のギルバート = ナイトレイ。」
え、あのお兄さんヘタレなん!?
…以外だ。
「ヘタレ…。」
「ち、違うぞ! オレは決してヘタレなんかじゃない!!」
頑張って訂正するけど…後ろのオズとブレイクさんが笑ってるのに気づいてないよ。ヘタ…ギルバートさん。
「え…ウチ、ヘタレ好きなんですけど…。」
「え…。」
ギルバートさんの動きが止まった。
因みに後ろ三人は「嘘だろ?」という顔。
「斯くいう私も時々ヘタレるし…」
「そうなのか!」
仲間を発見したように眼を輝かせるギルバートさん。
「それに…
ヘタレてる所が可愛くて堪んないし……vvvv」
「……は?」
これまた動きを止めた。
「あの戸惑ってる顔とか超・可愛いんよ〜vvv」
今まで見せた事のないような笑顔で言った。
「あははっ!! ギル、ドンマイ!!」
「これはこれは…どうなるかと思っていましたが…。」
さっきよりニヨニヨ顔が凄いですよ。ブレイクさん。
「やっぱりヘタレはヘタレだなっ!!」
「…………。」
ギルバートさんの時が未だに止まっていた…。
「…で、この子がアリス。」
落ち着いた頃に自己紹介がまた始まった。
「よろしくな。」
発言が男らしいです。アリスさん。
「あ、ウチは っち言います。」
やっとこさウチは名前を告げる事が出来た。
「 …変わったお名前ですネ。」
そりゃぁ文化違いますから。
「 …か。」
オズ君、そっちは名字…ファミリーネームの方だからね。
といっても訂正はしないよ。
いつかは分かる事だし。(オイオイ)
「ところで鴉…貴方の大事な帽子はどうなりました?」
鴉…と呼ばれたギルバートさんが叫ぶ。
なんで鴉…?
「ハッ! そうだった!! オズ、今日こそ探し出すぞ!!!」
ガシッと両脇にオズとアリスちゃんがセットされた。
「新しいのにすればいいのに。」
「絶対アレじゃないといけないんだ!!」
「肉5個で手を打つ。」
「黙れ。プライスレスだ!」
そんなに大切な帽子なのだろうか? だったら…
「昨晩助けてもらった代わりといっちゃぁーなんですけど…ウチも手伝いますよ?」
「そうか。それは助かる。」
「オラ行くぞ」とギルバートさんは外に出て行った。
それに付いて行くようにウチも行こうとしたが…
「……貴方は一体、何者なんでしょうカ?」
「…へ?」
ソファーから立ち上がったブレイクさんは背伸びをする。
「いいエ…こちらの話しですから…。」
「そ…ですか…。」
雰囲気が重くなってきたからウチは軽く会釈をしてから彼等の後を追って行った…
「大抵のチェインは契約者と共に人間を狩るんですケド…。」
ブレイクの独り言は直ぐに消えた。
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あとがき
無理やり原作の中にブチ込んだらチェシャ猫前になったりもする。
因みに1日で探しきれなかったという設定。
\(^o^)/オワタ
最強主人公の持ちネタその弐:記憶を辿る事が出来る。
やっぱりみんなの口調がわからない…orz