止められない ー
Trip!!〜23〜
「なぁーんで?」
こんな動物がウチに勝つわけ無いじゃん。
そもそもウチに跳び付いても ダ イ ジ ョ ウ ブ … ?
『 ! 』
案の定、ライオンはウチの≪力≫に気付いて離れた。
…流石、百獣の王と言うのだろうか。
『グルル…』
隙があったら跳び付こうとしている。
「どうしたのよリオン?」
ピンクのお姉さんが不思議そうに言う。
(あー…チョーカワイーんですけど。)
そんな事を考えながらウチはライオンに近付く。
「今さっきの威勢は何処いったんー?」
少しずつ下がるライオン。
ウチ、片手で剣を持っているけど…使った事無いからどうやろうか?
近付くけれどもライオンは逃げてしまうから、走る事にした。
…走るのキライなんだけど。
走った瞬間、ライオンも反射的に移動する。
動物と人間、その速さは違う。
コレじゃあ意味が無い。
…でも、それは≪一般的≫の考え。
残念だけど、ウチはその論に反する。
『 ! 』
ライオンの行く先を≪視≫て、その場所に行く。
そして…
「えー? 惜しくない?」
ほんのチョットだけど、剣の軌道がずれた。
ウチの振りは空振り、地面に当たる。
「あの子…何?」
自分のチェインに盾突くウチにピンクのお姉さんは動揺を隠せない。
「あー…やっぱ両刃は使いにくい。」
どーしよ。
ライオンは逃げてばっかだし。
斬らせてよ。
…ん? 待てよ?
あのピンク姉さん(改名)を斬ったほうが≪楽しい≫かもしれない。
…ウチ、今、なんて言った…?
楽しい…?
『やっぱり…貴女はバケモノだわっ!!』
バ…ケ、モノ……?
急に視界が広くなる。
ピアノ少年と糸目のお兄さんは時々。
眼鏡少年の顔も、ピンク姉さんは勿論、後ろに居るフードの人も…
そして……
「 …」
オズもコッチを見ている ー
見ないで…
こんな≪私≫を見ないで…
『天孤の皮を被ったバケモノか…!』
止めて…
私はバケモノじゃない…!!!
「あ……あぁ………」
カラン…と剣を落とし、ウチは自分の両手を見る。
今は制服の癖に、白い茶羽織の袖が見える。
この場に居るのは≪私≫ ? ≪バケモノ≫……?
「 !?」
ウチは座りこんで意識を無くした。
「な、なんだか よく分からないけど…リオン!」
その号令と共に動きを止めていたチェインが俺に向かって来る。
ー ジャック
咥えられて飛ばされる。
ー 自分自身を…
ー 護らなきゃ いけないと思ったんだ!!!
『ふふ…ずいぶんと強引な呼び出しだね。オズ。』
一瞬、アリスの面影を見て…オレはジャックを呼びだした。
「はあああああ」
「ふううううう」
「「………」」
夜。
ウチ等はパンドラに戻って来た。
あの長い溜息をしているのはオズとギルバートさん。
あの二人の周りは空気が重い。
あ、ギルバートさん。魂抜けてる。
「バスカヴィルと遭遇したのが、そんなにショックだったんですかネェ?」
「ふふ…いいえ、ブレイク。原因はエリオット = ナイトレイだそうですわよ?」
そう、その理由は夕方の学校での出来事…
「………。」
気が付くとウチは眼鏡少年に負んぶされていた。
だけど三人共 気付いていないようだったし、面倒臭いから寝たフリをした。
「もう この際だから きいちゃうけどさ…」
なんかオズが小説の話をし始めた。
「お、よく分かるな…」
ピアノ少年もその話に乗る。
…凄い盛り上がりようだ。
「気になる? そのあと…」
「それ めちゃくちゃネタバレだああぁぁぁ!!!」
「ぎゃあぁぁぁ!!!」
…この子、好きだわ。
「ああ、そういや…お前の名をちゃんと聞いていなかった。」
やっと校舎に戻れたウチ等(内、サボリ一名)。
ピアノ少年がオズに名前を聞いてくる。
「…オレは ー」
「オズ!! 無事だったか!!! …って !?」
名前を言おうとしたのにギルバートさんが邪魔をした。
…お久しぶりです。
「だああああギルてめぇ 空気読めよ このっ!!!」
思いっきり蹴ってます。
愉快だな。
「ギル…バート…?」
ピアノ少年が茫然と踏まれているギルバートさんの名を呼ぶ。
知り合いですか?
「エリ…オット…?」
オズの足蹴りが止み、ギルバートさんは立ち上がる。
「あ…驚い…たな…こんな所で会うなんて…」
なんか気まずそうに言葉を紡いでるよね?
てか、ピアノ少年…プルプルしてるし。
すると、素早く剣の鞘を抜いた。
「なぜ…貴様がここにいるー!!!」
…凄い。
ギルバートさん、見事に避けてる。
あ、髪の毛ちと切れた。
てか、ピアノ少年が話を聞かない事がもっと凄いww
「しかも なんだ その格好は…!
24にもなって学生服など恥を知れ!!!!」
はぁーんv
ギルバートさんっち24なんっ!?
24で…その顔で……
「異議ありっ!!!!」
急に起きたウチにみんなビックリ。
「24でその格好は正義だと思うっ!!!」
可愛いやんっ!!!
「な、なんや この空気…?」
めっちゃ引かれてるやないかっ!?
「 ?」
「あー…オズ……おはようさん。」
「降ろしましょうか?」と眼鏡少年がゆっくりウチを降ろしてくれた。
…フゥ。
一呼吸置いて、ピアノ少年と向き合う。
「な、なんだよ…」
「分かって無い…分かって無いよ少年……」
どんなに年を食っていても可愛けりゃ全て良し!
特にギルバートさんは別格!!
ヘタレでドMでワカメで…しかもギャップが……
「萌を学びなっ!!!」
ビシィッと指を指して(微妙だが上に反っている)言う。
ギルバートさんはウチの嫁じゃぁ!!
勿論、脳内だけだけど。
眼鏡少年を抜いて三人は固まる。
「 さ〜ん…?」
オズがウチを遠くから呼ぶ。
ウチはギルバートさんの両手を握って最高の笑みを出す。
「ウチ、そんな可愛い貴方が大好きです。」
「え゛。……〜っつ!!////」
後から赤くなって…可ぁ〜愛いっ!!
やっぱ嫁だ。嫁。
「だ、大体お前等はなんなんだ!!」
ハッとしたようにピアノ少年は現実に戻って来た。
またギルバートさんに突っ掛かりそうになるのをオズが掴んで止める。
其れを見て、ギルバートさんは焦った。
「そいつはオレの主人…オズ = ベザリウスだ!!」
言った瞬間、ピアノ少年は思い切りオズの手を叩いた。
離れた瞬間のオズの顔を見て、ピアノ少年は謝ろうとした…が、
「馬鹿を抜かせ…! オズ = ベザリウスはアヴィスに…いや…
10年前に死んだと聞かされている ーーー!」
「え…?」
10年前に…?
そんな話は聞いた事無い……
「エリオット オレは…「うるさい!!」
背を向けるピアノ少年。
「おまえの言うことなど…
信じられるか!!!」
…とまぁ、そんな感じで今に戻るんだけど。
あぁー…落ち込んでるギルバートさんも可愛いv
そう思い返してしるのは良いけど…
『えー? 惜しくない?』
…あの時のウチはどうかしている。
止められなかった。
久しぶりの≪感情≫を押さえる事が出来なかった。
もし、記憶の中の≪自分≫の言った事が本当なら…
ウチは向き合わないといけないのか ー?
「…さん? どうかしましたか??」
シャロンちゃんがウチの事を気にして声をかけてきた。
ウチは考えるのを止めた。
「あー…んいや、オズの妹さんの胸が多き過ぎて…泣けてきた。」
ちょっと思っていた事。
多分だけど、
エイダちゃん > ピンク姉さん > シャロンちゃん > アリスちゃん ≧ ウチ
みたいな感じだろ。
……あー…泣けてきた。
「ねぇ、悲しくない? ウチ、絶対この中でちっちゃいよね?」
ちょっと二人共、そんな憐みを含んだ目でウチを見ないでよ。
「取り敢えず…ドンマイ…と、言うべきでしょうカ?」
五月蠅いロリコン。
「だ、大丈夫ですわ! 直ぐに大きくなりますよっ!!」
みんなに言われて何年経ってると思ってんだ?
「…いーもん。どーせ胸なんて脂肪の塊だしぃ〜。」
逆に無いウチは痩せている!
そう口に出すと、ハリセンが飛んできた。
「失礼ですわ! 女性の胸を『脂肪』の一言で終わらせるなんて!!」
さんは敵です!
「いや、仮にもウチの性別は女やし。」
寧ろ胸がデカイ奴が敵だし!
「…ところで」
ブレイクさんはチラリと横を見る。
「「あ…」」
「………。」
誰にも相手にしてくれないアリスちゃんが其処に居た…
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あとがき
邪気眼乙。
少しだけ開眼です。(笑)
そしてまた中途半端に切ってしまいました。
だって…次は名場面だもん。
初っ端から書きたいんだもん。(うぜぇ)
だんだん文才が前以上に悪くなってきています。
凄く困っています。
またいつか書き直すかもしれません…。
戦闘シーン(?)はもっと書きたかったのですが…上手く表現が出来なかったのでカットです。(おい)
本当はライオン斬って暴れまくって欲しかったんですが、ジャックさんのシーンを邪魔したくなかったんで…(笑)
ちょっと、思ったのですが…ジャックと ってまだ会ってないですよね?www