そういう君もそんな顔をしていた…
Trip!!〜17〜
出会いの全てはアリスの行動から始まった。
真夜中に眠っていたアリスが急に起きてチェインの匂いがするって言うから急いで外に出る。
「コッチだ!」
オレとギルが路地裏に走って行ったアリスに追いつくと誰かがチェインに飲み込まれそうだった。
「ギル! お願い!!」
ギルじゃないとアリスの力が発揮できない。
俺の刻印はちょっと動いただけだから…まだ大丈夫。
早くあの子を助けないと!
「だがっ…!」
やっぱり躊躇してる。
だからオレはジッとギルを見つめた。
その間に誰かがチェインに飲み込まれる…
「…クソッ!」
其れを見たギルは手袋を取って、オレの額に手を添える。
その瞬間、アリスの力が蘇った。
ザシュ…
チェインの首を切ったら、飲み込まれた子が出てきた。
『〜! 〜〜!!』
驚いたのか、その子は声にもならない声を出す。
なんとかギルがキャッチに間に合い、チェインの方も首を切ったからもう消えかかっていた。
それからオレ達はその子がチェインの血を浴びてしまっていたからギルの家に上げた。
シャワーから上がってきたその子に近付いてサイズが合っているか聞いてみようとしたけど…
むっ…胸があんまり分かんなくて…
男だと勘違いしてしまった。
あーっ! オレとしたことが男の子と見間違えたなんて!!
謝ったけど彼女は黙ったまま。
…喋れないのかな?
何で謝っているのかが分からないみたいだった。
朝になって起きるとあの子がソファーに座っていた。
片目をずっと押さえてるけど…痛いのかな?
「おはよう」と言うと彼女も「ぉはよ…」って答えてくれた。
「喋れたの?」と聞くと彼女はちょっと笑った。
オレ、面白い事言ったかな?
ギルにアリスを起こしてくれと言われたから起こしに行ったんだけど……
オレまで被害に会っちゃったよ。
ブレイクも混じって朝食を始める。
食事中、彼女に目を向けると少し難しそうな顔をしていた。
食事も一段落してソファーに座っていたら、ブレイクが彼女についてオレに聞いて来る。
昨晩の事を説明してあげたら「ヘェー。」と考え始めた。
「改めて…昨晩はありがとう御座いました。」
お礼を言われて嬉しかった。
やっぱり人を助けるのは良い事だよね。
オレが答えるとギルが憎たらしい事を言ったからオレも言い返した。
ほら、ギルだってそうだったでしょ?
彼女は「気にしてない。」と言った。
普通は怒ってもいいのに。
そんな話の中、急にアリスが彼女に顔を近付けた。
普段はそんな事しないのに。
彼女、凄く驚いて立ち上がっちゃったよ。
それでもアリスは彼女の体を匂う。
「どうしたの?」と聞くとアリスは「良い匂いがする」と言った。
ギルが人間を食べるようになっったのかと言うとアリスは否定した。
…よかった。アリスが人を食べるなんて想像もしたくないよ。
だけどやっぱり気になるみたいだった。
そういえば、全然 自己紹介なんてしてなかったね。
気に食わないけどブレイクから挨拶をしてきた。
オレも負けじと元気よく挨拶をする。
ギルの事をヘタレって言ったら反応して「ヘタレ…」と呟く彼女。
ギルが一所懸命に弁解をしている姿を見て、オレとブレイクは笑っていた。
だけど彼女が返した台詞は…
「え…ウチ、ヘタレ好きなんですけど…。」
驚いたね。
アリスもポカンとしてるし、ブレイクも驚いていた。
でも、結局はヘタレで弄られている所を見るのが好きと言ったから またギルは固まってしまったけど。
其れを語っていた彼女は、今まで以上に輝いていた。
アリスまで紹介し終わって、やっと彼女の名前を知った。
「あ、ウチは っち言います。」
…変わった名前だった。
「 か…」と呟くと は小さく鼻で笑った。
その理由は の方がファミリーネームだったから。
其れを聞いて「じゃあ だね!」と言ったら「…やだ。男は名字。名前言っても良いのは女子だけだから。」と拒否してきた。
なんだよー。贔屓だよ。
「男に言われると『テメェに言われたく無ぇよ』」って思うらしいけど、
…頬がちょっとだけ赤くなってたよ?
ギルの帽子を一緒に探してくれたし…良い人だよ。 は。
でも、途中で倒れた時はビックリした。
丁度その時にギルが帽子を見つけたから を抱いて向かう…
やっぱり女の子なんだよね。
体が柔らかかった。
チンピラから逃げた後、アリスがチェシャ猫に連れ去られた時も一緒に付いて来てくれたり…やっぱり良い人だ。
やっと帰れたらパンドラの本部に出てきてしまった。
まぁ…オレの中に居るジャックがその場を収めてくれてその場は治まったけど。
の事も気にしてた…けど、パンドラの人達に事情聴取ばっかされて暇が出来ない。
誰もが『オレ』じゃなくて『ジャック』を見ていた。
だからと言って大丈夫。
そういうモノなんだ。
取り調べにウンザリして、パンドラ内の敷地を彷徨っていた所を に見つかった。
今日はギルと買い物に行って、午後はシャロンちゃんとアリスと一緒に此処についての話をしていたらしい。
はなんかチェインを引き付けてしまうらしくて、前のオレみたいにシャロンちゃんとブレイクの下で保護されている…と、ブレイクから聞いた。
そんな彼女がオレに向かって言った一言。
「顔、死んどるよ。」
思わず「え?」と漏らしていた。
「顔を顰めてまで笑う理由は聞かんけどさぁ、疲れた時は笑わなくても良いんじゃない? 逆にムカツク。」
…
はオレの何を知っているんだ。
オレは誰にも傷付いてもらいたくない。
だから…オレは笑うんだ。
しかも結局、オレの事はどうでも良いって言って来るし…
は『死にたい』と言う人を放置するらしい。
オレは、絶対助けるけど。
其れが本人の意思なら仕方が無い…って
其れはなんか違うと思う。
その人には大切な人達が居る筈。
そんな人達を置いて死ぬなんて…
残った人達が可哀想だよ。
だからオレは否定した。
「無関心じゃなければ、それはもう無関係じゃないよ。」と。
だからオレはどんなになっても、その人を助ける。
「一種の『偽善者』じゃないん?」
その言葉にオレは腹が立った。
オレの行為が偽善だって…?
思わず「違う!」を声を上げてしまった。
そのせいか、 は少し怖がる。
「…そう。それなら良いじゃん。だって、其れも自分の意志だから…
」
アレから どうやって別れたのかは覚えていない…
でも…
「ゴメン、ウチは無関心やわ。」
そんな事を言いながら悲しそうに眉間、寄ってたよ…?
数日後、オレは に謝りに行く事をあの時のオレはまだ知らない…
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あとがき
オズと喧嘩した…という事にしといて下さい。(笑)
誰だってこんな空気を作った事が…
あると思います!
…ねぇよ。
なんか…メンドクなってしまった。(え)
今回も一部、変更がありましたのでガッツリへんしゅうしました。(笑)