「私とアリスさんのパンドラ講座〜♪」













Trip!!〜16〜













猫騒動も終わった今日の昼過ぎ。
この為にシャロンちゃんはウチの部屋に来たらしい。
…だから、どうやって入って来たんだ?
オズとギルバートさんは事情があって、もう出て行ったけど。
その代わりにアリスちゃんが残った。


「一緒に教えて差し上げましょう?」

「フム…分かった。」


と言う事で…





〜パンドラ講義〜





が始まった……




















「ほー…」


失礼だが縫いながら聞いている。
「良いですよ。」とシャロンちゃんの許可が出たからサクサクやっている。

昔から此処の世界では『罪人はアヴィスに堕とされる』と言う伝承があるらしい。
其処は牢獄のようなもの…と言われている。


「あそこは壊れた部屋なんかが沢山ある。」


「薄気味悪いぞー。」と経験者の言葉を聞く。
…この通り、御伽噺の『アヴィス』は本当にある。
最近までオズも居たらしい…
抜け出す事など不可能と言われているアヴィスからアリスちゃんと出てきた。


「ま、私の手にかかれば楽勝だ。」


後で聞いたけど、其れ、オズと契約したからだってね。
因みにオズはアリスちゃん…『黒うさぎ』、シャロンちゃんは『一角獣』、ブレイクさんは『イカレ帽子屋』、ギルバートさんが『鴉』…
そんな事まで聞いても良いのか?


「あー…だから、みんな『鴉』って。」


「その通りです。」とシャロンちゃんはお茶を飲む。


「普通、チェインは『過去を変えたい』と思う人間に取り憑く習性があります。」

「…ハァーン……『過去』…ねぇー…」


あのチェインも…?
いや、馬鹿な。
ウチは『餌』として捕まった……




















『人間…契約…お前…過去を変えたくないか……?』




















…言ってた。
でも、ウチには『変えたい過去』なんて無いぞ。
そりゃあ、後悔する毎日だが。
其れは其れで良いもんだ。





「過去なんて変わるワケないのにねぇ〜」





「なんだ、其のチート技は。」と言うとシャロンちゃんはホッとした。


さんがそう言ってくれて嬉しいです。」


「チェインの手の内にされたら其れこそ逮捕ですから…」と言う。
いや、だって当たり前じゃん。





「後悔してこそ人間だと思ってるし。」





「要はその後悔した分、どう生きるかだろ?」と逆に問いかけた。
するとアリスちゃんがウチの肩を抱いた。
ちょwおまww針持ってるんだからwwww


「気に入ったぞ!」


「今日からお前も私の下僕にしてやろう! 感謝しろ!!」と言いますが…


「えぇー…下僕はヤダ…」

「では『姉妹』はいかかでしょう…?」


「勿論、私は長女で…」って、おい。
アンタも混ざる気かい。


「姉妹か…うむ。」


「なら順番的に私が二番目か…」と呟く始末。


「え、ウチ一番下?」


「年齢的にウチが上やろ…」と、この話に乗ってしまった自分が居る。





「ウフフフ……私、妹が欲しいと思っていたので………」





「スミマセン。三女で良いです……」


目がマジだった…!!
こうして次女の地位もアリスちゃんに譲って設定は三女となった…
ヘタレ言うな。

























夕方、説明もちゃんと聞いたので解散となった。


さんはパンドラが保護しますと言いましたが、まだ報告もしていないので…」


取り敢えず、シャロンちゃんの領域で保護してもらっているみたい。


「腹減ったなー。」


…アリスお姉ちゃんは食欲旺盛です。
二人が出て行ってフと窓を見た。





「あ…。」





オズ発見。
一人でブラブラ歩いていた。


「まーどーまど〜。」


一階だから部屋の窓を開けて其処から出て行った……






















(何してんだろー?)


見て分からないのか?
散歩だよ。
心の中で一人ボケ・ツッコミをする。
ちょっと離れた所から追いかけて様子を見る。
オズ…結構、しょんぼり してたり?





「あっれ〜?」





急に振り返ったから隠れられなかった。
思い切り見つかる。


、どうしたの?」


しんみりした表情は何処行ったのか。
オズは笑ってウチを迎えた。




















「乙だねー。」

「そでしょ? オレ疲れた〜。」


チェシャ猫の所から帰って来てから『アヴィスから帰って来た少年』とかで連日、アリスちゃんと一緒に事情を説明しているらしい。


「明日もあるからねー。」


「だから今の内にリフレッシュ!」と元気のいいオズ。
「送るよ?」と今来た道を一緒に歩く。
「窓から出ちゃったv」とカミングアウトすれば「大胆だ…」と返って来た。





















「あー…ありがとー。」


「よいしょ」と窓から部屋に入った。


「オレも帰るよ。」


オズがウチに手を振って帰ろうとする。


「あ…オズ。」


ちょっと言ってみたい事があって引き留めた。


「何? ??」

「あー…多分、気のせいカモしれんけどさぁー。」

「 ? 」




















「顔、死んどるよ。」




















「特に眉間に皺が寄ってる辺りが。」と指摘したら「え?」って呟く。


「一人で溜め込むより、誰かに言った方が良いよ。」






























自分から言わんと相手に気付いてもらえんけ。






























「顔を顰めてまで笑う理由は聞かんけどさぁ、疲れた時は笑わなくても良いんじゃない? 逆にムカツク。」


本音を言って、暫く沈黙が走った。


「はは…、 ってブレイクと同じ事を言うんだね。」


何故、奴が出てきた?


「アイツも『薄気味悪いガキだな』って言われた事があったんだ。」


はぁーん…。
あの人、勘は良さそうだからね。




















「まあ…別にウチはどうでも良いケドね。」






























そうしたいのなら、そうすれば良いんじゃねぇ?






























「ウチはね、誰かが『死んでやる!!』っち言ったら『じゃぁ、死ねば?』っちしか返さんとよ。」





ありのままの事を話す。





「だって、其れっちウチには関係無い事やし? しかも自分で『死にたい』っち言ったならどうする事も出来んし。」





其れが自分で決めた意志なんなら。





「其れで『やっぱり止める…』っち言ったんなら『お前、何がしたかったんか?』っち言いたくなるわ。」





止めて欲しいくせに。




















は間違ってる!」


オズが反論する。


「なんで? こういう答えには正解も間違いも無いよ?」





「無関心じゃなければ、それはもう無関係じゃないよ。」





だからオレはその人を助けるよ。





「ゴメン、ウチは無関心やわ。」

「 ! 」


オズの言っている事は…




















「一種の『偽善者』じゃないん?」




















「違う!」


オズは叫ぶ。
…ちょっと怖かった。





「オレは偽善じゃない。」





「…そう。」





それなら良いじゃん。
だって、其れも自分の意志だから…






























「ゴメン…」


あの後、気まずい雰囲気のままウチ等は別れた。
今は夕闇が完全な闇になるまで窓の外を見ている。


「ゴメン…」


変な事言って。
後悔は後からやって来る。

























ー クスクス

























「 !? 」


背後に誰かが居るような気がして振り返る…が、動かない。


「クスクス…」


女の子が笑ってる…


(誰なん…?)





「酷いよ。私を忘れるなんて。」





声も出していないのに…
女の子から返答があった。





「此処は良いね。」





こうやって外に出られるし。





「でも、結局は貴女を使わないと≪記憶≫のままだし…」





女の子が背伸びをしてウチの目を覆うのが分かる。
その時、顔だと思う部分が背中に当たる筈…だが、
なんか固い物が当たった…




















「 !? まさk「うしろのしょうめん だーれだ?」」






























其処にはもう、ウチしか居なかった…





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あとがき

一番、此のシーンを書き直したかったです。(笑)
前は『ギルの家に荷物を取り忘れた…』という設定でしたが、
主人公はちゃんと此の世界について説明を受けて無いな…と思い、書き直しました。
本当に申し訳無いです。orz
前半は女子だけでの第一回会議みたいなもので、後半がオズのフラグを立てた…と思いきや、マイナスポイントになるようになっています。(笑)
前ページは…うん。コメント無しでお願いします。
そして次回がブレイクの悩み相談所になるのです。(笑)