はっ、はっ、はっ…!!!













Trip!!〜10〜













アレから現実世界にもどってきて、私は左目を瞑った。
主人を無くした部屋をジッと見つめる。















『私は…ブレイクは確かめたいのです。』















100年前の真実を!















まるでシャロンちゃんの前に誰かが居るみたいだった。




















(…あ)




















『待ちなさい…!』


既にシャロンちゃんの後ろに女の子が居た。















(志村後ろ…!!)















その子はシャロンちゃんを気絶させて部屋を出た…















(窓から!?)















慌てて廊下に出て走った。

























(やべっ!!)


まだ屋敷から出ていないのに…


(つ…疲れた!!)


走って1分もしていない。
つか、広すぎっ!!


『早くしてくださいませ!!』

「うるせぇ!!」


「だったら教えろよ!!」と叫ぶと視界が歪んだ。










こいつ…!!










「長年のメイド生活でついた体力を嘗めてはいけませんよっ!!!」















止めろぉぉ!!!!!!




















「で、どちらに向かいましたか!?」


……も、もう…諦めた。


『……あの道。』


中から右目を使って≪過去≫の少女を追った。


「承知しました!」


…物凄く元気いいな。この婆さん。
メイド小母さんの姿で夜の街を駆け抜けた。















「此処は…!」


何十分間走り続けて辿りついた大きな敷地が聳え立つ。


『なにココ?』


女の子は裏から入ったみたいで其れを教えてやった。




















「此処は≪パンドラ≫という国の治安維持機関でございます。」


「その位、知ってて当然でしょう?」と言われたが。


『この国の事なんて知らんし。』

「あら、他所の国の人でしょうか?」

『…多分。』


きっとウチが居た場所…


『世界』が全く違う。


だって…




















(デタラメ人間の万国ビックリショーがウチの世界にあってたまるか!!)




















『あの部屋。』


どこぞの黒執事並みの運動能力で、誰にも会わずにシャロンちゃんが居るであろう部屋まで辿りついた。
最後まで気を抜かずに……















バァン!!















「お嬢様!?」















吹っ切れそうになった。















部屋の中には呼吸が荒いシャロンちゃん。
赤いソファーに背を預けて地面に座っている。
そして周りには人形が数体…


(…悪趣味だな。)


「あぁ!お嬢様!!」


勝手に動く体…


『だぁっ! そろそろ代われっつーの!!』

「いえ! お嬢様を安静にするまで…!!」


シャロンちゃんを抱きしめて離れない。


(クソったれ…!!)


あんまり使いたくなかったけど、やむを得ず≪力≫を使おうとした。




















キィ…





















ドアの開く音が鳴った……





「……!?」

「………どうやって入ってきたの?」


開かれたドアから帰って来たブレイクさん。
そして金髪のお兄さん。


「あ、貴方様は…ヴィンセント様……」


メイド小母さんの声が震えた。
知り合いなのだろうか?
ブレイクさん…なんか驚いているし。


「…まぁ、いいか。」


金髪のお兄さんはウチの前を横切ってベランダへの戸を開いた。





『……あ』















「お待たせ…? エコー。」















シャロンちゃんを連れ去った女の子が居た……

























金髪のお兄さんは言った。
「二人に毒薬を飲ませた。」と。
お兄さんの近くに居る女の子は解毒薬の信用を持たせる為に飲ませた。
その証拠に解毒薬を口移しで飲ませた。





あんまり見たくなかった。





一言で言うと≪狂ってる≫。





詩を歌う。





楽しそうに歌ってる…。





まるで…あの時の≪ワタシ≫みたいーーー





解毒薬を貰うには条件が必要。
その条件とはブレイクさんの手に巻かれている鈴…
「その鈴はアリスの記憶が残っているもの…」だと言う事。
だから、その鈴をチェインの力で消せ…。





「知る必要なんてないんだ…!!」





彼は何を怯えているんだろうか…?





其れにまた≪アリス≫…





此の世界は一体どうなってるんだ?




















試しに彼を≪視≫ようとした…




















(……なんやっとるんか………)




















≪視≫るのを止めた。
…そう、ウチには関係ない。
今はこんな場面にあっているだけであって明日、ウチはこの人達と離れてもう関わる事は一切無い。





…関わりたく無い。





何もしなくても星は…世界は廻る。
ウチが居なくても世界は廻る…そんな感じでウチが居なくてもこの人達は進む。
そして この人達が居なくてもウチは進む…





今はちょっと交点に居るだけであって、また離れて行く。
そんな関係が丁度良いんだ。
細く、長く…
浅く、広く…
人間関係もそんなんだ。
いつでも離れられる位置に……


だからウチは…





「いいえ 許しません!!」





振り絞った声が近くで聞こえた。
その声はシャロンちゃんから出たもので、その声にウチはハッとした。


「記憶は…貴方にとって大切なーー…!」


自分の体のほうが危ないのに他人の事を思う。
本当に申し訳ない…。

























キ モ チ ワ ル イ

























「いいんだ。」


折角シャロンちゃんが体張ってたのにブレイクさんはチェインの力で鈴を消した……




















「………これで満足か。ヴィンセント = ナイトレイ。」


其れを見届けた金髪のお兄さんは「ありがとう、帽子屋さん。」と礼を言う。


(なにがだ……)


此処に居ると勝手に腹が立ってくる。










何も出来ない自分が…










「早く薬を…」と言うブレイクさんを余所にベランダから薬を落とそうとした。





『「「……!!??」」』





コレにはウチもメイド小母さんの中から驚いた。
しかもブレイクさんが追いつこうとしたけど、虚しく……




















と思っていたが、あの女の子が身を乗り出して解毒薬を取った。
コレにはお兄さんが驚き、疲れきっている女の子に向かって手を挙げた。


「…オヤオヤ、ヴィンセント様。」


其れより先にブレイクさんが女の子を自分に引き寄せていた。


「そういう眼をすると お兄様にそっくりですネェ…!?」


しっかり解毒薬を持つブレイクさんは勝ち誇ったように言う。


「……なんかもう、飽きちゃったな…用は済んだでしょう。」


おもちゃを捨てるような発言をするお兄さん。
コッチ…ドアを指で差す。


「早く出ていってよ。」


少しの沈黙が訪れ、ブレイクさんは女の子を開放してコッチに向かって来る。


「 シェリー さん…お嬢様を此方へ。」

「…畏まりました。」


メイド小母さんの腕から、今度はブレイクさんの腕の中に入るシャロンちゃん。
ウチ等は彼に何も言わずに部屋から出ていった……





← 玖話に戻る / 拾壱話に行く →

--------------------------------------------------

あとがき

\(^o^)/


もう、あんまり主人公に突っ込む(卑猥です…(←お前の頭がな))のは疲れました…(おい)
おらぁ…もう、なんも言わねぇーだ……(´∀`)
んで、次回は閑話…?
早く誰かにフラグ立てたい…!!
因みに、「デタラメ人間の万国ビックリショー」は某錬金術師から。(藤原さん…好きだったのに……)
つか、漫画読み返してたけど、チェシャ猫戦って2日間だったのか…!!(今更)
次回の話にどう繋げて行こうかな…


そしてもっと今更なんですが、アニメ視た事無いです。(笑)
なので漫画で行ってます。
『あなたが作るテレビ』でギルが女生徒に囲まれる場面とオマケでパンドラ学園を視ただけです。
パンドラ学園…絶対、公式が病気だと思います。(笑)
だって、ジャックの扱いが……ブフッ!!