周りの空気が変わる


嗚呼、最近は全く無かったのに


目の前は黒い闇に飲み込まれた…













Trip!!〜1〜













「なんだコリャ。」


第一声…もうちょいマシな言い方すりゃよかった。


「人間 ガ来タ!」

「人間! 人間!!」

「何デ人間ガ居ルノ?」


小さな部屋には沢山の気持ち悪い西洋人形。
「人間、人間」と鬱陶しい。
呪いの人形辺りかと思えば部屋の中心には長髪で白髪の女の子が優雅にお茶を飲んでいた。


「…? ああ…。」





(『あの子』が呼んだ?)





でも、いつもは周りに何も無い。
いつもは『ウチ』と『呼んだ本人』だけ。
それ以外に何も存在していない。
でも今回はどうだろう?





変な部屋。





さっきから五月蠅い人形。










そして…




















「フーッ!!」

























…擬人化ネコ。

























『どうしたのチェシャ?』


優雅にお茶を飲んでいた女の子は擬人化ネコ…もといチェシャと呼ばれる猫に話しかける。
そして その擬人化ネコの視線を追い、やっとウチの存在に気付いた。





『貴女は だあれ?』





椅子から降りてウチの近くまで寄って来た。


(身長は…うん、勝った。)


ちょっとだけ上目線で見てくる彼女は…










「……モエ…。」










とかKY発言をしていた。















『モエ? 貴女、モエって言うの?』















ズイッと顔を近づけられて、つい一歩後方にさがる。


< Font Color="#ffffff">「あー…ごめん。違う。ウチは っち言う何処にでも居そうな一般人です。」


自分の名前が『萌え』になるのはチトやだ。
変に記憶されないようにちゃんと言う。





…? 変な名前。』





難しそうな顔をしてウチの本名を連呼する。





「ん? 名前は?」





ウチが逆に女の子に名前を聞いた。




















『私…? 私は≪アリス≫』




















ニッコリ笑うアリスはやっぱり可愛い。


…。』

「あ、ソッチは名字。」


『みょうじ?』と聞いた事の無い単語に首を傾げる。


「えー…っと……確か、ファミリーネームっつー方かな?」


「だから が名前になるんよねー。」と教えると『じゃあ、 』と呼び方を決めた。


「因みに って呼んで良いのは女の子限定。」

『 ? どうして??』

「秘密。」


人には色々と秘め事があるのだよ…(誰?)


…。』


アリスちゃんのウチを見る顔は好奇心に溢れ返っていた。


「なん?」


ああ、多分 話聞いてりゃ帰れるなと思った。


…どうして貴女が






























≪此処ニ居ルノ≫…?』










一瞬、怖気が走った。










久しぶりの感覚。
アリスちゃんの眼には光が無い。
只…ずっとウチを見るだけ。





「勝手ニ部屋ニ来ルカラダ!」

「勝手ニアリスの部屋ニ入ッタカラ!」





周りの人形達がまた五月蠅くなってきた。





『ねぇ… 。』





ウチの短い髪を触って話を続ける。
その間、ウチは全く動けなかった。










『どうやって来たの…?』





「いっ!」





ガッと髪の毛を握ったと思えば何処にそんな力があるのか、ウチを手前に…床に叩きつけた。


(顔面は勘弁!!)


咄嗟に両手が出たけど結局、全身が床に着いた。
彼女はウチの上で馬乗りに座る。





『此処はアタシのお部屋…。私が許されないと入って来れないお部屋なの…。』





ウットリしながらウチの頬を撫でる。






























『…貴女、いらない。』






























(って待てーいっ!!! だったら何でウチが此処に来たんだよっ!? ハアッ!?)


久々の危機にウチも頑張って抵抗した。


「其れはアンタがウチを呼んだからやないとっ!?」





『私が…?』





ピタとウチの頬を撫でまわす動作を止めた。





(よし、俺のターン!)





「う、ウチってさー…ある種の『願い屋』みたいなヤツでさ…っ!!」


今まで自分が遣って来た経歴を伝える。


「だってウチも何で此処に来たのか分からん。でもアンタの許可無しじゃ此の部屋には入れんのやろ? …だったらアンタがウチを呼んだ。ちゃうん?」






























……何だこの空気!?
え、ウチ、自分の事ゆーたし、ちとは憶測やけど正論に近い事 言ったやんっ!
この後どうなるかドキドキなんやけどぉー!!




















「あ…アリスちゃん?」






























ハッとしたように私の顔を見る。










ドキドキ…










『私が…呼んだ…?』





「っそ、そうっ!君がウチを呼んだとっ!」










ウチの『刷り込み作戦』が始まった。






























「フゥーッ」

「………(ショックだ…)。」

『チェシャ…駄目よ。 はワタシが呼んだお客様なのよ?』










今の状況…一言で言うと




















 カ オ ス www




















いつも誤魔化そうとしてバレてしまうに評定のあるウチが初めて成功した。
引っ掛かった(言い方が悪い)のは目の前で紅茶を飲む≪アリス≫という少女。
アリスちゃんの隣に居るのは未だ警戒してくる擬人化ネコ…基、チェシャ猫。


「あー…いいよ。いっつも動物から逃げられるから。」










そして動物運の悪いウチ… がアリスの真向かいでお茶を飲んでいた。




















……帰れるの?




















『あら、そうなの? 可哀想な …。』

「…ソデスネ。」


一体、どうやったらこの茶番から抜け出せるのかが分からない。
だからと言って彼女を怒らせたらいけない。
…確認済みだし。


『でも何故、私が を呼んだのかしら?』


カップを口から離してウチをまじまじ見つめる。


「あ…あんまり見らんといて?」





超・恥ずかしい。





自分が他人をガン見するのはいいけど、他人からジロジロ見られたらメッチャ恥ずいんだよ…。


はテレ屋さん。』


そうなんの?
んー確かに…と自分を見つめ直していたらアリスはクスクス笑う。


「…なん?」

の喋り方が変。』

「あー…コレ?」


関西弁は移る…と言いますが、そうです。
ウチ、その被害者。


「まぁ…気にせんどいて。」


説明してもどうにもなんないから軽く流す。


『分かったわ。』










ご機嫌宜しくて…。










ウチの寿命もチトは長くなったよ…。






























「可愛いよね。」





『…?』





「可愛い。」





『ワタシ?』

「うん。可愛い。」

『あ、ありがとう…。』
















何、口説いている…だと…?
ウチは可愛いものには目が無いんだよ。
可愛いものが居たら必ず「可愛い」と言う。
其れの何処が悪い?


(あー照れた顔も可愛い…。)


今さっきの空気と打って変わって女の子らしい笑顔をしている。















『ジャックも可愛いって言ってくれたの。』





「…ジャック?」





誰だソレ。(注:ソレ呼ばわりしてはいけません。)
「彼氏か…」と未だに付き合ったことのないウチは嫉妬の念を出した。


(身長は勝ったのに…!!)





『早くジャックは来ないのかしら?』

「キット モウスグダヨ アリス。」


人形が相槌をする。
アリスちゃんはこの間、ジャックという人物と約束をしたらしい。




















…ん、待てよ……




















「その人ってまだ来ないん?」


ウチはアリスちゃんに聞いた。


『…そうよ。』


悲しそうな顔をするアリスちゃん。


(あー…そんな顔見たく無かったな。)


「アリスちゃんは此処から出られんと?」

『ワタシはアヴィスから出られない。』


申し訳ないが「ヨッシャッ!」と胸が高鳴る。
そのせいで『だから……を…通して……』と言ったアリスちゃんの言葉なんて聞いていなかった。





作戦1:アリスが此処から出られない確証を得る。





「じゃ、じゃあさ、ウチが呼びに行っちゃるよ?」

『…貴女が?』

「そ、そう。アリスちゃんが私を此処に呼んだ理由はきっと≪ジャックを連れて来て≫っちゅー事なんやろ!」

『…。』


(頼む…! 成功してくれっ!!)





作戦2:ジャックを探すフリして此処から抜け出す。





多分ジャックっちゅー人は此処には来ないと思うけ、大丈夫やと思うけど。
兎に角、そうしないと出られそうにも…無い。
ウチをチラチラ見ながら考えている様子。






























『分かったわ。』

「え、マジ?」





やっと結果が返ってきた。


(今日のウチは運が良い!!)










『その代わり、時々 を呼ぶから。』

「やった!……は?」










やっぱり、どう足掻いても運が良くなることなど無かった。










「…ということ…は…?」

『現状報告をするの。』






























今、ウチに死亡フラグが立ったのも無理もない。





「………あ。」





気が付くとあの空間から出たらしい。
夜風が全身を包んで、とても懐かしく感じる。






























「…といっても直ぐ見つかる訳ないからねっっ!? 何の収集もない時あるからねっ!!」

『良いわ。その時は貴女が私を楽しませて。』





(この子 鬼畜だわっ!!)






























こうしてウチは外に出られたわけだった…。





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あとがき

orz
それしか言えません。
は自ら死の宣告を受けた▽』
つか、アヴィスさんが偽物やったし。(笑)
あの子はあの子なりに純粋なんだよ…きっと。(おい)
その前に言葉が分からん。(死)
あと、関西出身、お住みの方にジャンピング土下座したいです。
ま、まあ…次回からなんか出てきます。